いつもより一段と世界がざわついている気がする今年の秋!ヒップホップコミュニティーの動きから社会情勢をチェック!
ナナメ読み,
公民権運動とフリーダム・ソング
1 月 31 日に、音楽を通して 1960 年代の公民権運動を描いた “Soundtrack for a Revolution” という映画のサウンドトラックが発売されます。
フィーチャーされているアーティストはとても豪華で、John Legend, Wyclef Jean, The Roots, Joss Stone, Anthony Hamilton, Angie Stone, Mary Maryなど。残念ながら日本ではまだ見られないですが、アメリカではカンヌ映画祭をはじめ、多くの映画祭で上映されています。
トレイラーを見ると、映像は”Eyes on the Prize” という60年代を描いたドキュメンタリーで見られるような、警察に逮捕されたり、押さえつけられる光景、”I am a Man”と書かれたプラカードを掲げ差別撤廃を訴える姿、デモの最中に逮捕された人の写真、キング牧師の演説などの映像が流れ、そのバックでAnthony Hamiltonの歌が紹介されています。まさにドキュメンタリーと現代のアーティストによる音楽(フリーダム・ソング)が融合したとても興味深い作品。ここでJoss Stoneの曲を一曲紹介します。
公民権運動に関連した、人種差別撤廃のために立ち上がり団結を促す楽曲はいくつかありますが、その中でも有名なのが、サウンドトラックにも入っている”We Shall Overcome”という曲。この曲は元は1947年に発表され、そこから広がっていったとされています。一番有名なのはJoan Baezによるバージョンで、1960年代に一気に有名になりました。
私ははじめて公民権運動に関するドキュメンタリー(Eyes on the Prize)を見たときに大きな衝撃を受けました。警官がホースの水でデモをしている黒人を追いやったり、多くの人が逮捕される風景には目を疑いたくなるような状況でした。一方で人種差別に力強く戦っていく姿、確固たる団結力、そこから生まれた歌の力にはいつ見聞きしても計り知れないパワーを感じ、今も1960年代にひきつけられる自分がいます。
”We Shall Overcome”はキング牧師のスピーチにも出てきます。1 月15 日は、ちょうどMLK day (Martin Luther King Jr.Day) で、キング牧師の誕生日です。1960年代から今のアメリカ社会はどう変わったのか?1960年代の人々が望むような社会になっているのか?キング牧師のスピーチを見ながら、再度そのようなことを考えてみてはいかがでしょうか。
YUME FEST 2011
Tokyo Guerrillaz,
ヒップホップが政治にかかわるワケ
2009-03-13 00:16:11
なぜヒップホッパー達が政治にかかわらなくちゃいけないかって?ヒップホップなんては所詮「楽しみ」だろ、だって?-ところがそうでもないんだ。
カッコいいから、とか見た目のヒップホップを好きだっていうメインストリームの連中にとっては、確かに楽しみがすべてかもしれない。でも「ヒップホップカルチャー(文化)」
につながっている人たちにとっては、身の回りで何が起きてるのかを知ることが肝心なんだ。
じゃあ「カルチャー(文化)」とは何か?
ぶん‐か【文化】cul・ture
① 民族や年齢など特定の社会を構成する集団によって習得・共有・伝達される行動様式ないし生活様式の総体。
② 教育や訓練などを通じて精神を発達させ世の中が開け進み、生活が快適で便利になること。
③ 学問・芸術・宗教・道徳など、主として精神的活動から生み出されたもの。
ヒップホッパー達はずっと「ヒップホップカルチャー」に関わってきてきた。そして学ぶことや知ることでメンタルを向上させてくれて、ヒップホップファミリーの知識を次世代に伝えていってくれた。
過去に起こった歴史も今起きていることも、実際はもっと裏がある。メインストリームの人たちはとても気づいていない。この裏にある「大きな意図」が今の若者の状況を植え付けているんだ。このことは後で詳しく話すとして...。ヒップホップはもともと「声なき声」を伝えていたってことを覚えておかなければいけない。つまりヒップホップはアメリカで追いやられていた黒人やヒスパニック、マイノリティーと呼ばれる人たちによって生み出された。なんで俺たちは貧しいのか、みんなと同じようなチャンスが無いのか。わからなかった。貧しいという現実に生まれて、もはや受け入れるしかなかった。世の中が見ているように、自分たちは劣っていると思い込んだ。そうしたら更に状況は悪くなっていた。時がたつにつれて自分たちのコミュニティーはボロボロになっていった。同じコミュニティー内で殺しあったり、盗みをはたらいたり、ドラッグで家族も地元も汚染されていった。でも考えてもみろよ。最初からクスリ好きだったわけじゃないし、銃だって自分たちでつくったわけじゃない。じゃあ銃もドラッグもどこからやってきたんだよ?不思議で止まなかった。
そこにヒップホップが現れた。ゲットーの人たちが初めてヒップホップでつながっていった。ストリートの音楽や文化がみんなをつなげた。自分たちの存在を自分たちで定義したんだ。ヒップホップが生まれて、若者はいままでできなかったやり方でコミュニケーションをとるようになった。例えば、世の中にとってみれば「セオドア・リビングストーン」って普通の名前のどこにでもいるただの黒人のガキが、ヒップホップを通じて「グランド・ウィザード・セオドア」として自分の存在を売り出していくことができる。みんなが名前を知るようになって地元で名前が売れる。自分が大切な存在だと思えるようになることでもっとデカいことをしようと思うようになる。ただの「リー・キンノンズ」って名前のゲットーにいるプエルトリコ系アメリカ人が、世界に意見を伝えるなんて無理だったかもしれない。それがニューヨークの地下鉄の列車全体にグラフィティかムラル・アートを施せば、たくさんの人がそのメッセージを見るようになる。リーって誰だ?ってみんながすぐ知るようになるんだ。ヒップホップは最初の最初から、コミュニティーをより良く元気にしてくれる力になっていた。
ヒップホップのおかげで、世界中を旅することができるようになった人たちがたくさんいる。その人たちは、現地でもちゃんと敬意をもって接された。そしていろいろな土地やたくさんのものを目にするうちに、自分たちが住んでいた無知に囲まれた状況は、偶然じゃなかったって気づくんだ。わざち、意図的にされたことだと気づくようになる。いまの現実、"リアリティー"を定めている何かが裏にあるのだと。気づくことは大切だった。ヒップホップが生まれたあとも、地元で苦難は続いていたから。リアリティーがどうなっているのか、気づいた先駆者たちは音楽を通じてそのことを表現し、教えあい始めた。
思い出してみると、ヒップホップ初期の曲って政治的な性格のものがあった。Melle Melの「The Message」とか、アフリカ・バンバータの「Looking For the Perfect Beat」、「Planet Rock」「Renegades of Funk」などは人々に自分たちの住んでいる世界のことを教え、力づけるためだった。「教え」というトレンドはその後もKRS One (a.k.a. The Teach)などに引き継がれ、「Self Destruction」や「You Must Learn」をリリースした。他にもパブリック・エネミーやX-Clanなどがいる。こういったものが、世界中のさまざまなライフスタイルの人たちを惹きつけていった。グローバルになって、ヒップホップ・コミュニティーの結束(unity)はすさまじい勢いで広がっていった。
Melle Mel 「The Message」
Afrika Bambaataa 「Renegades of Funk」
KRS-One 「Self Destruction」
KRS-One 「You Must Learn」
するとヒップホップの力が強まったことに、主流社会は脅威を感じるようになる。個人をバラバラにさせることで権力の管理下においておきたいから、結束が脅威になるんだ。ヒップホップの音楽と文化が世界的に自由な考え方を若者に広めてしまっていると気づいたんだ。知識を手に、教えあうヒップホップは、ハイジャックされてしまった。ハイジャックっていうのは、舵を取って方向性を決めつけてしまうってこと。この場合メジャーな企業がヒップホップをコマーシャルなものにしてしまった。もっというと企業の裏にある権力がそうした。アーティストは急に何億円も手にすることができるようになったかわり、すべての曲は売れるためにつくられなきゃならなくなった。たとえば何が売れるか?セックスや暴力(violence)、退廃的なもの。だから歌の内容はセックスや暴力か、服や車、ポケベルみたいな商品、あとは意味不明なでたらめにしておけば、何億も稼げる。ちょっと余分な知識でもって、まじめなことや政治的なことをラップすれば、売らせてもらえない。ラジオでも流してもらえない。こうすることで企業やその裏にある力は、ヒップホップをつくりかえた。グローバルに若者をつなげるというヒップホップのポテンシャルを弱体化させたんだ。
だけど、今だって見回してみれば世界的な地域社会にいろんなマズいことが起きているってわかる。まるで地元のゲットーがそうだったように。かつてたくさんの若い黒人やラティーノが自分たちの歴史を知らかったり、本当の世界史を知らなかった。でも今の世界の人々だって本当の世界史を知らないままでいる。なぜある種の事件が起こるのか、知らされないままそれは偶然だと思っているか、自分たちの力の及ばないところで起きていると思ってしまっている。そう思い込むことですでに、やつらのいいように使われコントロールされているんだ。
だから今こそ、ヒップホップの第五の要素(5th element)を取り戻す必要があるんだ!第五の要素とは「知識」「知恵」「理解」の三位一体を示す。これをヒップホップカルチャーの最前に持ってくることで、若い人も(もちろん年長者も)いま何が起きていて、それが自分たちにどう影響するか理解できるようになる。起きていることにただ受け身に反応するんじゃなく、自分から行動できるようになる。そうすればマズいことが起きる前に、それを見極めて防ぐよう行動できるだろう?そうなる前に自分たちを守り、家族をまもり、地元を守る。こうして事態を「見極める」ということを「第三の眼」と呼ぶんだ。見るモノだけじゃなくて考えてみるということ。目に見えるモノだけに頼る世界は、みんなを欺く幻覚だってこともある。ヒップホッパーたちは「第三の眼」を鍛えることが大切になる。
こうしてみんながもっとパワーを手にするようになれば、自分たちを自分たちで定義し、自分たちの望む現実社会をつくり、物事を知って決断できるようになる。精神的に操作されたり、精神的に奴隷になったりすることを防ぐことができれば、自由な考えが広がる。
若い世代こそ未来を創っているんだ!自分たちの未来をより良いものにするには、そして次の世代にいい世界をわたすには、若者が今の現状を変えていくんだ。この思考がわからないメインストリームに任せたままじゃダメになる。こう表現できる。世界の85%は見えてない、わかってない、聞こえてない。そして残りの10%は物事を動かしている人。無知をいいようにして利益を得ている、血を吸って生きているような連中だ。85%の生き血を吸ってるヴァンパイアみたいなもの。そして最後の5%が知識をそなえた人々。5th elementはここに存在する。この5%はまたの名を「貧しくも徳のある師(poor righteous teachers)」として知られ、自分の周りの人々のメンタルを高めていく義務がある。ヒップホップのほんとうの力は-結束、力づけ、啓発し、最大の若者文化であるヒップホップコミュニティーを高めていく-ことだ。
さあ、「第三の眼」を開き、知識を手に入れ自由になれ!自分自身を教え、生き続けろ。
Peace,
Zulu King Tone
ユニバーサルズールーネイション ジャパン(Universal Zulu Nation Japan)
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